May 01 Friday 2020

私流のスポーツデザイン

プロとはやはり違う印象も受けるとはいえ、施設や例えばバスケのプロモーションの力の入れ具合はものすごいし、私が所属していた女子サッカーチームもそのバスケの成績による予算増加の恩恵などを受けていたので、そこらへんはもいろん切り離して考える必要はある。けれど、これまでの投稿で話しをしてきたようなことは日本の大学はもちろん、マイナースポーツも十分に取り入れていけることのように思う。

高橋さんのスポーツデザインという言葉を借りて考えたとき、やはりまずはサッカーと教育を結びつけて使われるものとしてデザインしていきたいと思う。一時期は小学校教諭や保育士になりたいと思っていた頃もあり、できればたくさんの子どもたちと関わっていきたいという想いもある。Make Your Own Ball Dayの活動も、チャリティー活動という一面もあるものの、メインはやはり子どもたちと直接関わっていくこと、そのなかで一人でも多くの子どもたちが学び、一緒に笑えればと立ち上げたものだ。

また今回のコロナの一連でどれだけのセットバックがでたのか、はたまた元の計画のまま押し進めるのかはわからないが、リーグのプロ化計画にもより教育の必要性というものが伴うように思う。プロ化後の詳しい条件はよくは知らないが、現状としてプレー以外の仕事を得ることで安定を手にしていることは否めない。また不安要素は収入だけの話に限らず、経験においても同じことが言える。一緒のチームでプレーしながら話をしていても、特に高卒でリーグに飛び込んでくる選手たちが社会経験を積めるということはかなり大きなことだと感じている。海外リーグでの契約もそうであるように、契約条件によってもまた異なってくるとは思うが、プレー後のビジョンというものをより明確に描くためにも教育が必要なのではないだろうか。

そんななかで自分ができることとなれば、英語とサッカーを組み合わせることかと思う。例えば、上記で少し触れたMake Your Own Ball Day。この活動では子どもたちに持ち寄った素材で自由にボールを作ってもらい、実際にプレーしてもらうまでの体験を通じて、発展途上国の子どもたちの暮らしや、日々の暮らしへの感謝の気持ちを学んでもらうことがテーマとなっている。そのアクティビティのなかに、もし楽しみながら簡単な英語に触れられるコンテンツを作り上げることができれば語学教育にも結びつけられるように思う。また、関東にはインターナショナルスクールも多いので、賛同を得られるようであれば、セカンドキャリアサポートに繋がる活動も可能だ。いずれにせよ、この活動を通じてばりばりのバイリンガルを育成するというよりは、英語はそんなに難しいものじゃないと思えるきっかけになればいい。

私は海外で暮らしていたこともあり、英語でのコミュニーケションで困ることはほぼないが、例えば文法などに関して言えば私よりよっぽど知識を持っている人はたくさんいると思う。それでもコミュニケーションをとることができないのは、そもそも実際に使うための勉強や練習を積んできていないということもあるが、一番はただ自信がない、失敗するのがいやという人が多いのではないだろうか。教室とはまた違う環境で気楽に英語に触れられる機会を増やすことが、第一歩としてよいと思うし、その過程でまずはトライしてみるという自信を培っていければ、それはどんなことにも応用できるものになるはず。また、子どものように柔軟なうちから自然に慣れていくことができれば、そもそもコンプレックスには繋がらない。それをスポーツの力を借りて挑戦していきたいと思う。

そして私がそのような活動を行っていくうえで大切なことは、”魅せる”という意識を忘れないこと。上記のような教育面での目標を達成することはもちろん、個人的なファンになってもらうにも魅力がなければ当然ありえないことで。その点に関してまだまだな自覚はあるし、トレーナーにもよく指摘を受ける。表だった舞台でやっていくにはもっと意識しなければならないことであるのは間違いなく、Butlerでの経験からはもちろん、また新たに様々な世界から学んでいくことも必要かと思う。

Make Your Own Ballにしても個人的に立ち上げていることなので、チームではなく私ができそうなことを書いたが、その気になればチームでもできることであり、よりたくさんのアイディアがぶつかり合えば、もっとクリエイティブなものもうまれると思う。そのうえでもっとも大切なのは、ただ闇雲に手を出すのではなく、高橋さんも記事のなかで述べているが、はっきりとどうしたいのかという意識を持って動くこと。私でいえば試合にはもっと多くの子どもたちや同性のファンにも来てもらいたいし、Make Your Own Ball Dayを通じて少しでも多くの子どもたちと関わっていきたい。そのために何ができるか、自分の武器はなにか。まずは行動してみて、見えてきたものを拾いながら、道をつくっていきたい。

Published on May. 01, 2020 by Serina Kashimoto #85