September 18 Friday 2020

自分らしく魅せる

物心ついた頃から”女の子”らしく振舞うことがとにかく嫌だった。一番古い記憶では、女の子らしい下着をつけるのが嫌すぎて男の子用のパンツを履いていったことが保育園でばれて、これは女の子が履くものではないと先生に怒られた記憶があるくらいだから相当年季が入ってます。(笑) この手のエピソードは挙げだすとキリがなく、近所のお姉ちゃんにもらった赤いランドセルを振り回して破壊し、一人だけ黒のバックパックで登校していたし、弟と色違いコーデなどもよくしていたので、近所の人からもかわいい男の子3兄弟だと言われていました。

大人になって、別に男になりたいとは思わないけど、今でもボーイッシュな格好とか振る舞いをしているほうが楽で落ち着く。なぜそのように感じるようになったのかは、今となってはそれが子どもの頃からの習慣だったからなのかもしれないけど、あの頃で考えると思い当たる節があります。私の両親は共働きで、普段は祖母が家事などの一切を請け負ってくれていました。そんな祖母はよく私に手伝いを頼むのですが、その理由が私は女の子だからで、逆に弟は男の子だから必要ないと。弟もなにもしてこなかったわけではないし、それは単に私を納得させるつもりで言っていただけなのだろうけど、言われるたびに”だったら女なんかやめてやる!”と、泣きながら叫んでました。今となれば、祖母もそうやって育てられてきたのであろうと、逆に当時の私が”女の子だからお手伝いをする”ということに違和感を感じられたことが幸せだと思えますが、当時はものすごく心に刺さった記憶です。

実はFC pSolsのアパレルのブランディングを考えるうえで、いままで何度もこの内容の投稿をしようとしたけど、その度に諦めてきました。自分には難しいと感じていたから。考えを語るにしてもまだまだ思考が浅いし、すごく繊細なトピックでもある。先日つぶやいた簡単な内容でも、それもまた自身の経験によって刷り込まれたイメージの押し付けになっていることを気付かせてもらった。今書いてるこの文も、何度も書いては消してを繰り返しています。表現が本当に難しい。わかりやすいからと選んで使う言葉に違和感を感じたり、頭がショートしてくる。でも、今日は頑張って最後まで書いてみるので、ぜひ最後まで読んでください。(笑)

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いまFC pSolsのアパレルを使って、女子サッカー選手のブランディングに挑戦したいと企画しています。アメリカでみてきたかっこいいプロモーションに影響を受けたことがきっかけですが、そもそもかっこよさをつくりたいと思うようになったのは、日本のかわいい文化に気づいたからです。日本のそれは世界でも”KAWAII”として認知されているほどで、女子サッカー界でも”かわいすぎる女子サッカー選手”などとよく使われてきました。対して、アメリカでみてきた女子サッカーの印象はかっこいいものが比較的多く、単純にそれが現状の女子サッカーのイメージや立ち位置になっていると感じました。ただ、よくよく考えると、この人かっこいいなと感じる瞬間はその人の見た目よりも、その人の生き方や考え方を知るときであり、だから例え見た目がかわいらしい人であっても結局かっこいい人はかっこいい。要は魅せ方であり、その人が持つストーリーや哲学など、内面的なものも含めたうえで魅せることができて初めて本物なのだと思います。

そうなるとアパレルって違うんじゃない?って思うかもしれません。矛盾したことを言うけど、格好つけることも大事です。私の両親の自慢話ですが、同級生たちの間では美男美女で知られていて、行事で親が学校に来る事はちょっとした楽しみでもありました。ある日、髪のセットをしている父に話しかけたとき、父は”わしはいつまでもおまえらにとってかっこいい親父でおりたいけ、言うならおまえらのためにかっこつけるんよ。”と。冗談か、本気か。別に芸能人でもないし、特別な仕事をしているわけではなかったけど、父は私にとってかっこいい存在だったし、特にサッカーを始めてからは隠れて言動を真似したりもしました。サッカーを始めたきっかけは祖母の影響が大きいと思っていますが、こうして考えると、父の格好つけがなければ、もしかしたら今の自分はいなかった可能性も否定はできないようにも思います。格好つけることも魅せることの一部であり、特に2部であっても、このカテゴリでプレーする私たちにとっては必要なことなのだと感じる理由の一つです。だから、モデルで協力してくれる選手たちにはそれぞれが自分らしいと思えるあり方で思う存分に格好つけてもらいたいし、そのなかで魅せ方を学び、それが本業である”ピッチ上で魅せる”ということに繋がっていけばもう言うことなし、最高。そして、その過程を通して発信していくストーリーなどが、世の中の女性たちの力とかになったりしたら、なんて想像してます。

最後に。偉そうに書いてみたけど、自身の願望もフルに詰め込んでいて。ややこしい話しじゃなくて、女の子っぽいからという理由でピンクが嫌になる子がおらんくなればいいなとか、ただ単に自分自身が女の子っぽくないからではなく、これが自分らしくいられるあり方なんだって自信を持てるようになることだったり。そういうことに繋がればいいなって思います。

Published on Sep. 18, 2020 by Serina Kashimoto #92