June 06 Wednesday 2018

17-18シーズン終了

しんどかったー。今シーズンを振り返ってまずでてきたのがこの感想。でも、なぜだろうか?久しぶりにピッチの上で終了の笛を聞いて込み上げてきた感情は決してマイナスなものではなかった。一緒に闘ってきた仲間たちとの別れの寂しさや、なんだかんだでやりきったという安堵感、次が詳細に決まっているわけでもないにも関わらず新しい挑戦がまた始まることへの期待感だったり、一言では決して表すことのできないそんな感情が溢れかえってきたとき、いつもと同じはずのドイツの景色が不思議といつもよりクリアに見えた気がした。

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人生というのはおもしろいもので、次のレベルへの踏み台にという意気込みで迎えたシーズンで出場機会に苦しんだり、この人とは絶対に仲良くなれんと思っていた人が大親友の一人になっていたり。このシーズンは特にいろいろなことで予想通りにはいかなかった。でも、予想通りではなかったからこそ多くを学び、大切なものを得ることもできた。

トライアウト最終日の練習試合で左膝MClを痛めてしまい、それから本格的に復帰を果たせたのは8月中旬に行われた合宿が始まる2日前のこと。痛みは完全に消えたわけではなかったし、チームのメイントレーナーも正直信用できなかったこともあり、とにかく左でボールを蹴ることがこわかった。いつもなら左で簡単に合わせにいくシーンでも無理に右のアウトを使ってふかしたり、全く気にせずにプレーができるようになるまでは数ヵ月かかったけど、その間にアメリカで培ってきた自信をすっかり失ってしまっていた。当時はまずほとんどのチームメイトにナメられていたと思う。それももちろん悔しかったし、なにより自分が一番なりたくないと思っていた”失敗をおそれてチャレンジしない”そんな選手に成り下がってしまっていたことにどうしようもなく腹が立った。

もちろんスランプから抜け出すために考えられることは片っ端からやっていた。様々な動画やブログを読み漁ったり、なにかよいアドバイスをくれそうだという心当たりにも連絡をとった。それでもやっぱり一番の自信に繋がったのは周りの反応だった。以前紹介したダニやオランダ人ストライカーのピアは食事に連れ出してくれてストレス発散に付き合ってくれたり、なにより練習も自分のペースでできるようになった頃くらいからチームメイトからも頼りにされていることが感じられるようになり、きちんと向かうべき場所に向かっていけているのだという自信と確証を得た。そういう背景があったから、最後の試合を終えてチームメイトの何人かが声をかけに来てくれたときはちょっと泣きそうになった。(笑)

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もちろん選手として今シーズンの内容には1ミリも納得していないし、終わりよければすべてよしと簡単に割りきれるものでもない。それでも最終目標までの過程の一つと考えれば意味があるものだったと思えるし、この経験を活かすか殺すかはこれからの自分の行動次第。そしてそれはこれからの決断に関しても同じで、だから考えるだけ考えて、それからはその決断を正解にしていけるよう生きていこうと思う。

シーズン途中は一刻も早くシーズンが終わってほしい、はやくこのチームから出ていきたいとさえ思っていたのに、実際にシーズンを終えたいまは少し寂しさすら感じている。そんなふうに思えるようになったのはまず間違いなくドイツでも周りの存在に恵まれた証拠であり、こんな人生を送れている自分は本当に幸せだと思う。他人がみれば遠回りばかりの人生かもしれないけど、そのおかけで大切なものをたくさん拾ってこれたし、今までの道のりの途中になに一つとして無駄はなかったと胸を張ることができる。冒頭でも言ったようにまだ来シーズンに関してはなにも報告できるようなことがないけど、どんな道になろうとも、自慢の友人たちの隣に胸を張って立てるよう歩んでいきたい。

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Published on Jun. 06, 2018 by Serina Kashimoto #67