July 20 Saturday 2019

パズルをする人生

“指導者になって女子サッカーのレベルの底上げに貢献したい。”

その程度でしかセカンドキャリアのビジョンを抱いていなかった私がバトラーに入り、スポーツマーケティング、心理学、スポーツ社会学など様々なものに興味をもった。ただ単に”やるスポーツ”と”教えるスポーツ”の2種類でしか認識していなかった私が、”スポーツは様々な形でこの世の中に存在している”という事実に気づいた瞬間でもあった。そして同時に、”一体何に着手すれば日本女子サッカーの成長に繋がるのか”と頭を悩ませるようにもなった。答えはもちろん簡単には見つからないし、どれもおもしろそうだからと片っ端から勉強しているうちに気づいた、”こんなん1人でどうにかしようとか無理。” だから私はまずパズルのピース探しをすることにした。

私はグループやチームを構成する際によく人をパズルのピースに例えて話をする。パズルのピースには出っ張っているところもあれば、引っ込んでいるところもあって。それがちょうど1人1人の人間のそれぞれの得意、不得意を表しているようで、だから実際にチームなどをつくる際にもなんとかうまいこと互いの個性を組み合わせて一つの絵を描けないものかと考えるし、それが私にとっての理想のチーム作りである。

ゲームのパズルと違うところは、現実でのパズルはまずピース探しから始めなければならないことだろう。現実、パズルのピースの存在に気付けていなかった私はなんでも自分でやりたい、やらなきゃと無謀なことを考えていた。それがあるときから、”自分にできないことは誰か他の得意な人に頼めばいい”と考えるようになった。自分にない才能に出会ったからか、はたまた自身で限界を感じたのかはよく覚えていない。ただ一つだけはっきりしているのは、”一緒に最高の一枚を描きあげたい”と、心の底から思える存在たちにいま恵まれているということ。

いつだったか忘れたけど、ある人に言われた。”パズルで組織をつくるにしても軸となって引っ張っていく存在は絶対に必要だし、お前がその役をやるにしてもまだあと10年は早い。だからいまはどんな形にせよ勉強しろ。”未熟であることなど指摘されずとも自分が一番よく理解しているつもりで、だからこのときの私は返す言葉を持ち合わせていなかった。おもしろい存在に恵まれているからこそ、ない頭でも振り絞ればなにかおもしろいことができるのではないか。自分のパズルを組み立てるにはまだまだ経験もピースを引きつけるだけの人間的魅力もまだまだ足りないのだろう。だけど、やっぱり最高な仲間と最高の一枚の絵をつくりあげること以上に最高なことはない。どれも心の底から本気で思ってることだけど、当時の自分が言っても負け犬の遠吠えにしかならない気がして。ただひたすら悔しい思いを隠しながら会話を続けたことははっきりと覚えている。(笑)

いまの自分が10年という時間をすっ飛ばして魅力溢れる人間に急成長したなんて到底思わない。しかし、こうも考える。”アイディアは制限があるからこそうまれてくる。” 元ネタは高校時代の先輩がメンタリストDaiGoさんの動画をみせてくれたときに学んだもので、制限とは何かをやろうとしたときに躊躇する要因であり、それはお金や時間、才能であったり。まだ自分には早いのかもと不安が全くないといえばウソになるけど、同時にこれはなにかアイディアうむチャンスだとも思う。だから今日もパズルとにらめっこ。”考えすぎ、もっと気楽に”と言われるけど、考えることはめちゃくちゃ楽しいからしょうがない。(笑)

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Published on Jul. 20, 2019 by Serina Kashimoto #75